遮光ガラスの「色」で変わる視界と疲労感──知っておきたい本当の選び方

遮光ガラス選び、番数だけで満足してない?

現場で溶接をしていると、「なんか今日は目が疲れるな…」と感じたこと、ありませんか?
それ、体の疲労とは別に見えている色のせいかもしれません。

溶接は無理な体勢や長時間作業も多く、腕や腰がガタガタになるのは「仕様」として受け入れてる方も多いでしょう。
でも目の疲れって、サロンパスじゃどうにもならないんですよね。

遮光ガラスの「番数」はみんな知ってる

まず、遮光ガラスの「番数」──これはもう常識です。
遮光度が上がるほどガラスは濃くなり、#1から#16までが存在しています。

番号(Shade) 特徴
1〜4番 ほぼ素通し。グラインダー作業などに使用
5〜8番 軽作業用。プラズマカットなど
9〜14番 一般的なアーク溶接用
15〜16番 特殊用途(高電流アークやレーザーなど)

たとえば半自動溶接(300A)で10番以下を使うと、眩しすぎて目がバチバチに疲れます。
逆にTIG溶接(50A)で11番以上を使うと、「見えねぇ…」と神経だけがすり減る。

この辺りの選び方は、もう現場の職人なら体でわかってることだと思います。

でも、「色」は見落とされがち

で、本題です。
実は遮光ガラスって、番数は同じでも「色」が違うんですよ。
これ、意外と知られてないんですが、目の疲労に直結してくる大事なポイントです。

▼ 1. 緑系の遮光ガラス(スタンダード)

遮光ガラス1

最も一般的なのがこの緑。
目に優しいとされていて、「まあ悪くないな」と感じる色ですね。無難で使いやすい。

▼ 2. 黄色系の遮光ガラス(注意!)

遮光ガラス2

これがクセモノ。
実際には画像よりもっと黄色っぽく、やたら眩しくてアークの形が見にくい。
黄色は「明るさを増幅してしまう」ため、目が休まるヒマがないんですよ。
慣れている人ほど、「あれ?今日はやけに疲れるな…」と感じるかも。

▼ 3. 青系の遮光ガラス(神)

遮光ガラス3

これ、個人的には最強の視界色です。
青は明暗のコントラストが自然で、アークの輪郭がくっきり見えるのに疲れにくい。
緑→青に変えると、「今まで見えてなかったんかい!」って驚くくらい違います。

青ガラスの入手難易度は…高い?

ただしこの青、問題がひとつ。
「色を指定して注文できない」ことが多いんです。

溶材屋さんに聞いたところ、
「メーカーのロットによって色が微妙に違うので、“青で”と指定は難しいんです」
…とのこと。

え?微妙じゃないよ!?めっちゃ違うよ!?って話なんですが……残念ながら選べない。

最後に:選べるなら青、一択。

もしあなたの現場で「遮光ガラスの色を選べる環境」があるなら、
一度青を試してみてください。目の疲れが本当に違います。

僕は今、手持ちの青ガラス1枚を「ウルトラレア」扱いして、大事に使ってます。
選べない方も、次に遮光ガラスを交換するときは、色にも注目してみてください。

※本記事の画像は、#9番遮光ガラス、溶接電流300Aで撮影しています。

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