溶接工の転職を成功に導くために大事なこととは?

技術が身につくほど、転職が頭をよぎるとき

溶接の仕事に魅力を感じて、少しずつ技術も上がってきた頃──
ふと「転職した方がいいのかな?」って考える瞬間、あるよね。

実を言うと、自分も何度か転職を経験してきた。
同じ会社に長く勤められない性格って思われるかもしれないけど、実際は「もっと別の分野の溶接を学びたい」って思いが強かったからなんだ。

もちろん、ひとつの会社に腰を据えて経験を積むのも立派な道。
それができるなら、そこはきっと人間関係も仕事のやりがいもあって、恵まれた職場なんだと思う。

でも──
・収入に不満がある
・スキルアップが見込めない
・毎日同じことの繰り返しで飽きてきた
・職場の将来に不安を感じる

そんな気持ちがどこかにあるなら、他の会社や分野が気になってくるのも自然なこと。

相談が多いのは「転職してよかった」という声

「溶接の道」には、メールフォームを通じていろんな相談が届くんだけど、その中でもとくに多いのが転職に関する相談。

なかには、転職後に近況を報告してくれる人もいて、「いい転職だった」と実感できたという声が印象的だった。
それって「給料が上がったから」だけじゃなくて、やりたかった溶接に携われるようになったケースが多い。

例えば──
・造船で長年働いていた人が、TIGの配管屋に転職したり
・大手重機メーカーから、建築現場に移ったり
・町工場からアルミ専門の会社に移ったり

業種が変われば使う技術も働き方もガラッと変わるし、覚えることも山ほどある。
でもそのぶん、新しい刺激や成長につながることも多い。

自分にとって「何を大事にするか」を見極めよう

転職を考えるとき、つい求人条件ばかりに目がいっちゃうけど、まず大事なのは自分自身の優先順位をはっきりさせること。

たとえばこんな方向性があると思う:

出世重視
 → とにかく収入アップ。役職や待遇も上げていきたいタイプ。

技術重視
 → 今のスキルを活かすか、これからもっと高度な技術を学びたいタイプ。

人間関係重視
 → ギスギスは無理。雰囲気の良さや気の合う仲間と働きたい。

プライベート重視
 → 収入はそこそこでもいいから、休日や家族との時間を大切にしたい。

将来独立を見据えて
 → ひと通りの経験を積んで、いずれは一人親方や事業主を目指す。

この中でひとつだけってわけじゃなく、2つ以上が絡む人も多い。
でも、自分が何を大事にしたいのか、ざっくりでもいいから見えてくると、転職先の選び方がガラッと変わってくる。

「やりたい溶接」があるかどうかが一番大きい

結局のところ、転職してうまくいった人たちって、自分がやってみたかった溶接の分野に進んだ人が多かった。

鉄の配管を溶接したくて、TIG専門の現場に行った人

厚板をガンガン溶かす重工系の仕事に憧れてた人

アルミを極めたくて、小さな専門工場に飛び込んだ人

給料や待遇ももちろん大事だけど、やりたいことができてる実感があると、多少のきつさや不安も乗り越えやすい。

だから、「どんな溶接に関わってみたいのか」をまず考えてみて、それに合う仕事や業種を探すのが、遠回りなようで一番の近道だったりする。

転職はギャンブルじゃない。情報が命

最後にひとつ、強く伝えたいのはこれ。
転職は運任せにしちゃいけない。

なんとなく焦って、調べもせずに「とりあえず応募」みたいな転職は、だいたい失敗する。
自分が何を求めているかを知って、そのうえで企業側が何を求めているのかを調べて、ちゃんとすり合わせをすること。

今はネットで情報を集めやすい時代だから、業種別の求人内容や職場の雰囲気、働き方なんかもかなり見えてくる。

「なんか違うな…」って思ったら無理して行く必要はない。
自分のペースで、情報を集めながら判断していけば大丈夫。

ひとこと

溶接業界は今、人手不足が続いてるし、良い職人はどこでも欲しがられてる。
しっかり技術を学んで、真面目にやってきた人なら、次のステップはいくらでもあるはず。

今すぐ転職しなくてもいい。
でも「次にどうなりたいか」「どんな溶接をしていたいか」っていう未来像を描いておくと、いざというときにブレずに動けるよ。