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溶接試験 不合格の実例 余盛り高さ(裏ビード)
これは裏ビード(溶接した裏面)の余盛りの高さです。
対象となる欠陥 :H>3.0mm
不合格基準 :L合計>10mm
母材表面より3mmを超えた裏ビード(裏波)が10mm以上あると不合格です。
画像の試験片で左端あたりは裏ビードが出ていません。溶け込み不良の状態ですね。中央付近の3箇所は凹みや高すぎになっています。
そもそも裏ビードを綺麗に出すのはかなり経験を積まないと出来る芸当ではないので、これが原因で試験に落ちる人はかなり多いのではないでしょうか。なにしろ溶接してる裏側ですからね。見えてない部分ですからね。そりゃ難しいっつーの。
対処法はまず溶接中に裏ビードが出ているか判断できる勘を鍛えなければなりません。被覆アーク溶接や半自動溶接でのソリッドワイヤ使用時ならば音でわかるので裏波が出ている音を見抜きましょう。ティグの場合は溶加棒を加えた時の盛り上がり方で分かります。溶接中、盛り上がるほど加棒しているのに平坦な感じになっていればまず裏に出ています。とはいえルートギャップの取り方や電流調整など個人差があるので絶対な方法ってのは無いんですよね。上手く溶接出来た時のイメージを忘れないように体に覚え込ませましょう~
被覆アークや半自動での裏ビードは尖がった形状になりやすいのですがティグの場合どっちが裏か表か分からないくらいに綺麗に溶接する職人さんもいます。たぶん配管屋さんだと思いますけどさすがです。もう、ある種の変態だと思います。変態って言われて喜んだら配管屋さんです。