SUS316L 12ミリ突合せ溶接(仮付けから第1層)
SUS316Lの仕事がきました。
簡単に言うと316Lは腐食や塩に強いステンレス材です。
今回の仕事内容
・テーパー状にロール加工された板厚12ミリの突合せ溶接
・仕上げの手前の層まで溶接
・第2種圧力容器のため、完全溶け込みが必要
・溶接後の真円度は正規の寸法から+-3ミリ
特に難の無い条件なんですが、仕上げ前の層までって何だよ!って感じですねw
何でも仕事を依頼してきた製缶屋が雇っている電気屋さん(家電や配線の関係ではなく仮付け状態まで用意されたものを溶接する専門の方々)はTIGをローリングしないと溶接できないそうで、最終の脚長が図面指示よりかなり太くなってしまうとの事。「うちの電気屋さん無理っぽいから2層目まで細く盛っておいて」って・・電気屋なんだから、やり方次第で何とかしろよ・・と思いつつも美味しい仕事なのでいただきました。 外観気にしなくていいしねw
これが仮付けした状態です。
開先は最終の脚長が太くなり過ぎないよう幅は細め。
図面指示は外面から板厚1ミリ残してのV開先だったんですが、真円が+-3ミリ狂ったらアウトなのでX開先に勝手に変更しちゃいました。V開先だと溶接部が落ち込んで、円がハートマークの形に歪んじゃいますからね。また加工屋さんに修正してもらうとコストに合わないってのも変更した理由です。
ロール加工物は熱の影響で元の形状に戻りたがります。つまり溶接部の円が外側に尖ってしまう。それを防ぐ意味で外面から溶接を始めたりしますが、今回は仮付けの状態で内面側に尖ってました。なのでここは内面から溶接します。
内面1層目。棒系1.6ミリの溶接棒を使いウィービング無しでガガーっと180Aほどの電流で進みます。
裏に貫通してろ、してろ!と念じながらブレの無いように歯を食いしばるのです。