現場で専門に働く溶接工とは?仕事内容・技術・収入のホントのところ

溶接工の中でも「現場専門」で動いている人たちがいる。
工場を持たずに現場へ直行し、必要な場所で必要な溶接をする。
鉄骨、配管、橋梁、造船──現場を渡り歩くこの仕事は、普通の「工場溶接」とはまた違う世界だ。

何でもできる職人には違いないけれど、工場のそれとはまた違う「現場」で生きる職人のリアルを解説していくよ。

現場溶接工のスタイル

現場専門の溶接工は、多くが自分の工場を持たない。呼ばれた場所へ行って、与えられた条件で勝負する。
良い現場だと、機材は基本的に現場に揃っていて、発電機や溶接機、ガス切断器まで貸してもらえる時もある。
とは言え普通の現場だと、道具は全て持参の場合もあるから人によっては「愛用の溶接機からパイプカッター」まで車に積んでたりする。体+使い慣れた工具だけで移動する人もいれば、1BOX満載の設備で移動する人もいるって事。

朝は誰より早く?

「現場は8時スタート」と言われれば、遠方でも8時前には作業出来るスタンバイ状態は勿論、ラジオ体操スタンバイ状態にしておくのが暗黙のルール。
遠方なら1時間以上かけて車を走らせるのも当たり前。泊まり込み案件なら前乗りして、宿は会社が手配する場合もあれば「日当込みで自分で探してね」という場合もある。移動費や宿泊費は誰が持つか?これも契約次第。大手元請けは出してくれるけど、個人請負だと“全部コミコミ”で日当を提示されることが多い。

現場専門でやっている人は、正社員よりも個人事業主スタイルが多い。

「日当2万で、交通費込みね」なんていう契約はザラ。
仕事が終われば次の現場へ、まさに渡り鳥のような生活。自由度はあるけど、保証はない。そのため、保険関係は自分で工夫しなきゃいけない。国保と国民年金、一人親方労災に加入して、さらに生命保険や医療保険を足して…って感じ。ただし危険職種扱いで保険料が高めになるのは痛いところ。

同業者はライバル?協力?

現場に集まる溶接工は、普段は仕事を奪い合うライバル。でもいざ現場では協力し合わなきゃ回らない。「火口忘れたから貸して」「トーチ壊れた、ちょっと使わせて」なんてやりとりは日常茶飯事だ。面白いのは、そうやって助け合った相手が、次の現場を紹介してくれることもあるってこと。だから横のつながりは超大事。腕より人間関係がモノを言うこともある。考え方次第だけど、雑談力も大事かもしれない。

現場の社会保障や保険

  • 一人親方の場合、社会保険ではなく国保+国民年金。
  • 労災は「一人親方労災特別加入」でカバー可能。
  • 生命保険や医療保険はもちろん加入できるが、危険職種ゆえに割高・制限ありのケースもある。
  • 現場でケガするリスクが高い分、保険は手厚くしてる人が多い。

現場溶接工の収入相場(推定)

現場溶接工の収入は、所属形態や現場規模によって大きく変わる。
大手ゼネコン所属で安定を取るか、一人親方で高収入を狙うか──選び方次第。

年収情報は、厚生労働省の公式統計だけではなく、複数の求人情報サイトや現場データを参考に推測したものです。あくまで目安としてご覧ください。実際の収入は、会社の業績・地域・勤続年数・資格・担当業務などによって大きく変動します。

平均的な相場感(推定値)

項目 数値
平均月収(所定内給与) 約27万円〜34万円
年間賞与(ボーナス) 約50万円〜80万円
推定年収 約370万円〜490万円

出典と前提:
・厚生労働省「賃金構造基本統計調査(直近公表年)」の職種「金属溶接・溶断従事者」を基準に、現場施工に関わる工程を含む統計で近似(信頼度:B)
・地域や企業規模、残業・深夜・出張手当の有無で差が出る。
・求人サイトや業界資料をもとに補足。

勤務先ごとの違い

  • 大手ゼネコン・造船所勤務 … 年収500万〜700万円。福利厚生◎、ただし転勤や長期出張は避けられない。
  • 中小鉄工所・町工場勤務 … 年収350万〜500万円。残業で稼げるが安定度は控えめ。
  • 個人事業主・一人親方 … 日当2万〜3万、年収600万〜900万円以上も普通にいる。

相原から最後に

会社勤めだと出張って言うけど、一人親方が多い業種。
現場溶接工は、工場溶接とはまったく別のジャンルになる。工場を持たず、現地で全部やりきる。朝は早く、移動も多い、トイレ遠い、荷物は重い、監督はうざい、書類は面倒、帰りは遅いのに何故かそんなに嫌じゃない。同じ想いの同業者と話がはずむし、仕事やってる感は他の業種より大きいかもしれない。
あとは既婚者は愛妻弁当が嬉しい。毎日現場は弁当なのです。
え?独身ですか?
じゃあ、昼食は近くのラーメン屋か、少し離れたラーメン屋の2択だ。

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