溶接試験 不合格の実例 余盛り高さ(裏ビード)

裏ビードの余盛り高さって何がダメなの?

裏ビードってのは、溶接した裏面にできる“盛り”のこと。
いわば裏のビード、通称「裏波」ってやつだね。

で、これが高すぎると試験では不合格。
基準はこんな感じ

高さ(H)が 3.0mm超えたらアウト

その盛りが合計 10mm以上あったらアウト

つまり、“ちょっとくらい”じゃ済まないんだよね…。

実物の試験片を見てみよう

以下が実際の不合格例を例えた画像。

裏ビードの不合格例

盛り上がりすぎ、出てない、凹みすぎ…いろんな問題が混在している。

見てわかるとおり、裏ビードが安定してなくてバッラバラ。

左端なんて完全に裏ビード出てない=溶け込み不足

中央には盛りすぎ&凹みのミックス技

これじゃあ合格は厳しい。
いや、正直なところ「裏ビード」って、熟練の職人でもやらかす場所なんだよね。

見えないところほど難しいって話

そりゃそうでしょ?裏面なんだもん。

こっちは表から溶接してるわけで、裏がどうなってるかは完全に見えない世界。
この“見えない敵”と戦う感じ、まるで超音波で敵を察知するイルカの気分だよ。

裏波が出てるかどうか、どうやって判断するの?

音とか手応えとか、「五感+経験」が頼り。
これ、溶接界では常識。

被覆アークや半自動の場合

→ 音で判断!
裏波が出るときの音、あるんだよね。
はじめは「何それ?」ってなるけど、繰り返してると聞こえてくるようになる。不思議。

TIGの場合

加棒した時の“盛り感”で判断。
しっかり加棒してるのに平坦なビードになってたら、裏に出てる可能性高い!


正解は一つじゃない。だから難しい

ルートギャップ、電流、姿勢、速度…
一人ひとり違う条件でやってるから、「これが正解!」ってやり方は無いんだ。

だからこそ、うまくいった時の手ごたえを忘れないこと。
この“成功体験”を何度も再現できるように練習するのが近道だね。

TIG職人の裏ビードは芸術レベル

ときどきいるんだよ、
「これ裏面です」って言われても、「え?表と変わらなくない?」ってレベルのやつ。

配管屋さんに多いかな。
あの人たちの裏波はほんと美しい。むしろ裏が主役。

もはや変態。
もちろん最高の意味でね。
“変態”って呼ばれて喜んだらその人は配管屋さんです。