溶接の世界へようこそ。昔は“夢の職業”だった!?
今も昔も、そしてこれからも。
この社会から無くならない、地味だけど超重要な技術――それが「溶接」。
なんだか難しそう?覚えること多そう?
うん、確かにそうかもしれない。でもね、バブルの頃にはこんな話もあったんだよ。
「ティグ裏波配管やれば日当5万」
「半自動で音波検査のある現場こなせたら月80万」
「独立すれば外車に乗って、美味いもん食って、毎日が楽しい!」
……なんて声が、あちこちで聞こえてた。ホントに。
昔はそれくらい、“できる溶接工”ってのは一目置かれてたんだよね。
じゃあ、今はどうなのか?
昔ほどのバブル景気はないけど、溶接ってまだ稼げるの?
というわけで、まずはデータで見てみよう!
【令和5年】最新の平均年収はこれくらい
厚労省の「賃金構造基本統計調査」(令和5年)を元に、いまの溶接工の年収をチェックしてみたよ。
内容 男性・正社員の平均値
平均年齢 42.9歳
勤続年数 12.5年
月収 約33.7万円
賞与 約65.5万円/年
年収 約470.9万円
うん、わりと現実的な数字だよね。
平成26年あたりから比べると少しずつ上がってきてはいるけど、「昔の夢の金額」と比べたらちょっと寂しい感じもある。
ちなみにこの月収、月の労働時間が163時間ってことは、1日8時間×月20日でピッタリ終わる計算。
いやいや、「それは事務仕事の話でしょ!?」って思う人も多いはず(笑)
でもまあ、あくまで統計上の“平均”ってやつ。
実際の溶接の現場は、もっとハードだったり、逆にゆるかったり、現場や会社によって全然違うんだよね。
平均じゃ見えてこない“リアルな収入差”
溶接って、ほんとにいろんな現場・業種・会社があるから、平均値だけじゃ何も見えてこない。
溶接の世界では、「勤続年数」よりも「技術力」がモノを言う。
年齢なんか関係ない。会社の中で“腕が抜群にいい”って評価されてれば、30代で年収600万だって全然アリ。
もっと言えば、「うちにはいないスキル持ってるね」って思われれば、それ以上の収入にも手が届く。
逆に、単純作業ばっかりで高度な技術を求められない会社だと、どれだけベテランでも月収30万が限界ってことも…。
収入を伸ばしたいなら、“穴を埋められる職人”になれ!
溶接の世界で収入を上げる近道は、「どこの現場でも役に立つ人材」になること。
たとえば
TIGは上手いけど、半自動はサッパリ → そういう人、結構いる
板物はできるけど、配管は苦手 → これもあるある
工場内は慣れてるけど、出張現場はNG → 意外と多い
こういう“穴”を埋められる人は、マジで重宝される。
会社からすれば、「この人いればなんとかなる」ってなるからね。
で、そのために有効なのが転職なんだよね。
他の業界なら「転職=リスク」って言われるけど、溶接工の場合は「転職=技術の幅が広がる」って意味にもなる。
アルミ・チタン・高張力鋼・極薄板・極厚板……やれる種類が増えれば、それだけ収入も上がりやすいってわけ。
仕事選びで後悔しないために
一見するとすごく待遇がよさそうな会社でも、実際は単純作業の繰り返しってこともある。
だから、目先の給料に飛びつかずに、「その会社で何を学べるか」をちゃんと見ておくのが大事。
あと、資格はちゃんと取っとこうね。
JWES(日本溶接協会)の基本資格は“あった方がいい”じゃなくて“最低限”
そこから先、UT・RT・VTみたいな検査資格も視野に入れると◎
自分が武器にできる資格があると、転職時にも超有利!
“続けることでしか見えない景色”がある
最初は道具の名前もわからず、火花の熱さにビビり、マスクの曇りにイライラする毎日かもしれない。
でも、それでも続けてると、不思議なことに手が勝手に動くようになってくる。
火花の先に、ちゃんとした“形”ができていく。
いつの間にか、先輩に頼らなくても一人で現場をこなせるようになってて、
気づいたら後輩に「そこ、もっと立て気味にあててみ?」とか言ってる自分がいる。
そうやって、“腕”と一緒に“自信”も育っていく。
溶接って、そんな仕事なんだ。
腕があれば生きていける。だから、諦めるな。
今の時代、溶接の腕があれば仕事に困ることはない。
逆に、腕がなければ選べる現場が少なくなるのも事実。
でも、そこに悲観しなくて大丈夫。
だれでも最初は初心者で、道具に振り回されてた。
地道にコツコツやっていけば、ちゃんと形になる。
“自分の腕で食っていく”っていう、ものすごくシンプルで、でも誇らしい生き方が、ここにはあるんだから。