開業手続きと保険の話
溶接の仕事をしていると、ある日ふと考える人も多いのが「独立して一人親方になろうかな」という選択。
でも、いざ行動しようとすると、意外と知らないことだらけで足が止まるんだよね。
実際、溶接職で独立する場合は「開業届の提出」と「保険の手続き」が基本になる。
この記事では、現場目線でその流れをわかりやすくまとめていくよ。
一人親方ってどういう立場?
まず「一人親方」っていうのは、簡単に言うと個人事業主のこと。
会社に雇われるんじゃなくて、自分で請け負って溶接の仕事をする形だね。
実際の現場では、元請けや工務店から直接仕事をもらって「手間請け」するスタイルが多い。
元請けからすると「一人親方」は外注だから、社会保険や雇用保険は関係ない。
そのかわり、労災や保険は自分で入らなきゃいけないってのがポイントになる。
開業手続きはどうするの?
■ 開業届を出す
まず必要なのが、税務署への「開業届」の提出。
これは「今日から自分は個人事業主です」って国に申告する手続き。
提出先は、自分が住んでいる地域の税務署。
紙一枚でOK、しかも無料。書き方も簡単。
■ 青色申告の届けもセットで
「青色申告承認申請書」も一緒に出しておこう。
これを出しておけば、65万円の控除が使えて節税できるよ。
ちなみに、開業届と青色申告は開業後2ヶ月以内に出すのがベスト。
過ぎても受け付けてもらえるけど、控除が減ることもあるから注意。
溶接職で独立するなら保険はどうする?
ここが一番大事なところ。
溶接の現場は危険も多いから、保険加入は実質的に「必須」になる。
■ 国民健康保険と年金
会社員をやめると、まず切り替えるのがこの2つ。
- 国民健康保険(市役所で手続き)
- 国民年金(同じく市役所)
健康保険は収入によって金額が変わるから、前年がサラリーマンだと一時的に高くなることもある。
でも放置すると無保険になっちゃうから、早めにやろう。
■ 労災保険の「特別加入」
溶接の現場で一人親方が必ずと言っていいほど入るのが、労災保険の特別加入。
普通の労災保険は、会社員じゃないと入れないんだけど、
「一人親方労災特別加入制度」っていう裏技的な制度がある。
【特別加入のポイント】
項目 | 内容 |
---|---|
加入先 | 一人親方労災保険組合(地域にいっぱいある) |
保険料 | 年間で4万〜6万円くらい(収入による) |
補償内容 | ケガ・死亡・後遺症までカバー |
加入証明 | 現場で「保険加入証明書」を求められることが多い |
■ なぜ労災特別加入が必要か?
溶接工事は「労災なし」だと元請けが仕事をくれないことが多い。
特にプラントや建築現場は、労災加入証明を出せなきゃ現場に入れないってケースがほとんど。
「自分は気をつけるから大丈夫」って人もいるけど、
実際には「相手をケガさせた時もアウト」だから、加入は必須だよ。
その他の保険はどうする?
労災だけじゃなく、**賠償責任保険(共済)**も入っておくと安心。
たとえば、溶接の火花で火災が起きた時とか、車両事故の時とかに使える。
月数千円で加入できる場合が多いから、組合に相談してみるといいよ。
まとめ:溶接職の一人親方は「保険」が命綱
一人親方として独立するなら、開業届と保険加入が最初の一歩。
溶接職は特に「労災特別加入」がないと仕事にならないから、これは必ず押さえておこう。
次の記事では、「確定申告と経理の話」をまとめていくね。