一人親方として独立すると、避けて通れないのが見積もり・請求・契約のやりとり。
「現場の溶接は得意だけど、書類はちょっと……」って人、多いよね。
でも、これをちゃんとやらないと、未払いトラブルや揉め事に巻き込まれるリスクがある。
この記事では、溶接職の一人親方が知っておくべき「見積もり・請求・契約」のリアルなやり方をわかりやすくまとめたよ。
見積もりはどう作る?
見積もりは「この作業ならいくらですよ」と提示するもの。
相手にとっては「この金額でOKかどうか」を判断する材料になる。
■ 見積もり書の基本構成
項目 | 内容 |
---|---|
件名 | ○○工事 溶接作業 見積書 |
作業内容 | 半自動溶接/アーク溶接/TIGなど |
単価 | 1人工◯万円/1mあたり◯円 |
数量 | 日数や溶接量など |
合計金額 | 税込みか税別か明記 |
■ 単価はどう決める?
「いくらで出せばいいかわからない」って、独立したての人はみんな悩む。
溶接職の場合は、まずは「今いる会社の単価」を目安にするのが現実的。
たとえば:
- 現場溶接:1人工あたり2.5〜3.5万円(日当換算)
- 配管の裏波溶接:1mあたり8,000円〜15,000円(難易度で変動)
■ なぜ会社より少し高く出すのが基本か?
会社の単価より安く出すと、業界全体の相場を壊してしまう。
自分が損するだけじゃなく、溶接業界全体の「底値」にもなるから注意。
目安は「会社の受けてる金額+α」。
自分が保険や経費を全部払うぶん、会社員時代より単価は高くてOK。
■ 口約束はNG
「あとで見積書出すよ」と言って、結局出さないまま仕事を始めると、トラブルの元になる。
金額は必ず紙(またはデータ)で残すクセをつけよう。
請求書の作り方
仕事が終わったら、ちゃんと請求書を出す。
これがないと「お金を請求する権利」があいまいになるよ。
■ 請求書の基本構成
項目 | 内容 |
---|---|
件名 | ○○工事 溶接作業 請求書 |
金額 | 税込金額を明記 |
支払期日 | 例:翌月末払いなど |
振込先 | 自分の銀行口座 |
消費税 | 税込みか税別かハッキリ書く |
源泉徴収 | 必要な場合は控除額も明記 |
■ 請求書はいつ出せばいい?
理想は作業完了後すぐに出す。
よくあるパターン:
- 「月末締め翌月末払い」(業界標準)
- 「納品完了後10日以内に支払」(小規模現場ならこれもあり)
請求書を後回しにすると、相手も支払いを後回しにするから注意。
■ 請求書はどう渡す?
- PDFでメール送信が一般的(LINE添付も増えてる)
- 手渡しする場合は、控えにハンコをもらっておくと安心
契約書は必要?
溶接の現場だと、契約書を交わさずに仕事を始めることも多い。
でも、できれば簡単な契約書か「注文書・請書」を交わしておくのが安心。
■ 契約書がないとどうなる?
- 未払いがあっても請求が難しくなる
- 追加作業が発生したとき、「それは頼んでない」と言われるリスク
■ よくあるトラブル例
「これもやっといて」と言われた追加作業、
あとで請求したら「見積もりに入ってないから払えないよ」と言われた。
→ こんなケース、現場では実際によくある。僕はこれで何度も泣いた(学習能力ゼロ+気が弱い)、ホント気をつけて。
■ 簡易契約でもOK
- 見積書に「この内容で請け負います」と書いてサインをもらう
- メールやLINEで「この金額でOKです」と返信をもらう(スクショを残す)
書類は自分を守る武器
溶接職の一人親方にとって、見積もり・請求・契約は「お金と信用を守るための作業」。
「書類はめんどくさい」と思うかもしれないけど、
結局、自分のために必要なことだから、最低限のやり方は覚えておこう。