JIS溶接技能者評価試験の学科模擬問題【20問】※答えと解説は最後にまとめてチェック!

「溶接の試験=実技勝負!」
そんなイメージが強いけど、JIS溶接技能者評価試験には学科試験もある。

実はこれ、意外と油断してると落とされるんだよね。
とくに現場仕事が長い人ほど「現場感覚」で答えて間違えたりするから要注意。

この記事では、実際の試験の出題傾向を参考に「溶接の道」でオリジナルに再編集した模擬問題を紹介するよ。
「安全衛生」「溶接欠陥」「機械特性」など、学科の定番ネタをピックアップしてるから、ちょっと腕試ししてみてね。合格は20問中、正解率60%で12問だよ。

※実際の試験問題とは異なるけど、学科対策の参考にはなるはず!

【JIS溶接技能者評価試験 学科模擬問題】

JIS溶接学科模擬試験(全20問)

  1. アーク溶接で使う遮光面の適正な遮光度は?
    #3~#5
    #8~#12
    #14~#16
    #20以上

  2. 炭酸ガスアーク溶接の代表的な欠陥は?
    クレータクラック
    ブローホール
    ピット
    スラグ巻き込み

  3. 「入熱」とは?
    材料に流れる電流
    アーク長の長さ
    溶接部に与える熱量
    電極の消耗速度

  4. 感電防止のため作業服は?
    ナイロン製の服を着る
    濡れても気にしない
    乾いた長袖作業服
    半袖で涼しく作業

  5. ステンレスをCO2で溶接すると?
    電極の消耗増大
    窒素侵入による硬化
    酸化による変色
    母材の溶融不足

  6. 立向き溶接の姿勢記号は?
    V
    F
    H
    O

  7. アンダーカットとは?
    溶接ビードの幅が広すぎる状態
    裏波が出ていない状態
    溶接終端にできる割れ
    溶接金属と母材の境界にできる溝

  8. サブマージアーク溶接の特徴は?
    フラックスでアークを覆う
    高周波でアークスタート
    手持ちで火花を見る
    TIGトーチを使う

  9. ガス保護溶接で風の影響を受けやすいのは?
    被覆アーク溶接のみ
    半自動とTIG溶接
    TIG溶接のみ
    風は関係ない

  10. 溶接ヒュームの健康リスクは?
    喉が鍛えられる
    肺に蓄積し健康被害を起こす
    肺の中で溶けて消える
    体には無害

  11. アルゴンガスの役割は?
    酸化防止の保護ガス
    燃料ガス
    アークを安定させる燃焼剤
    温度を下げる

  12. 被覆アーク溶接の電極は?
    消耗電極(溶けながら使う)
    熱で割れる
    溶けない
    膨らむ

  13. 下向き溶接とは?
    斜め45度に引く
    溶接面を下にしてビードを上に引く
    溶接面を上にしてビードを下に引く
    水平にビードを引く

  14. 密閉空間作業で必要なのは?
    換気と酸素濃度管理
    急いで作業
    酸素ボンベ持込
    他人に任せる

  15. クレータ割れの原因は?
    開先角度が狭い
    終了時のアーク処理が雑
    アーク長が長すぎる
    溶接速度が速すぎる

  16. 母材と異なる金属を溶接することを何という?
    異種金属接合
    鋼材同士の接合
    同種金属接合
    鋳造接合

  17. スポット溶接はどんな溶接?
    TIGトーチで点を打つ
    圧力+電気抵抗熱で一部を接合
    一定速度でアークを引く溶接
    半自動で点付けする溶接

  18. 被覆アーク溶接の被覆材の役割は?
    変色を防ぐため
    アークを安定・スラグ生成・ガス保護
    電極の強度を上げるため
    溶接速度を上げるため

  19. 予熱が必要な理由は?
    作業者が温まるため
    割れ防止・温度差の緩和
    錆を落とすため
    アーク長を一定にするため

  20. 溶接で「ルート間隔」とは?
    溶接機の設定間隔
    母材同士の隙間(開先のすきま)
    溶接の順番
    ビードの重なり幅

【答えと解説】

問題 答え 解説
Q1B遮光度は#8~#12が一般的。#3~#5はガス溶接用、#14以上はレーザー溶接用。
Q2B炭酸ガス溶接の代表的欠陥はブローホール(気孔)。ガス量や風の影響で出やすい。
Q3C入熱=溶接部に与える熱量(kJ/cmなど)。これが多いと変形や割れの原因になる。
Q4C感電防止には乾いた長袖の作業服。濡れた服やナイロン製はNG。
Q5AステンレスをCO₂で溶接すると、酸化被膜(変色)が発生しやすい。
Q6C「V」は立向き溶接(Vertical)の記号。
Q7Cアンダーカットは、溶接金属と母材の境界に溝ができる欠陥。強度低下につながる。
Q8Bサブマージアーク溶接は、フラックスでアークを覆って行う無煙溶接。
Q9C半自動とTIGは保護ガスを使うので風の影響を受けやすい。
Q10C溶接ヒュームは肺に蓄積して健康被害を起こす。防塵マスクが必要。
Q11Bアルゴンは保護ガス。酸化防止やアークの安定に使う。
Q12B被覆アーク溶接は消耗電極(溶けながら使う)。
Q13D下向き溶接は、溶接面を水平にして行う溶接。
Q14C密閉空間では換気と酸素濃度管理が必須。酸欠事故を防ぐため。
Q15Cクレータ割れは、アーク終了時の処理が雑だと起きやすい。
Q16B異種金属接合とは、母材と異なる金属を接合すること。
Q17Bスポット溶接は、圧力+電気抵抗熱で一部を接合する溶接。
Q18B被覆材はアークの安定・スラグ生成・ガス保護など多機能。
Q19C予熱は、割れ防止や温度差の緩和が目的。
Q20Bルート間隔は、母材同士の開先の隙間のこと。

おわりに

学科試験って、現場で溶接してる人ほど「知ってるつもり」で落ちがちな分野。
でも、一度こうして問題を解いておくと、試験当日に「あ、これやったな!」ってなるよ。

※この記事の模擬問題は、実際のJIS試験の出題傾向を参考に、「溶接の道」で独自に再編集したオリジナル問題です。
本番試験の問題とは異なりますので、あくまで学習用としてご利用ください。