配管作業をしていると、「25Aって何ミリ?」「20Aと15Aの違いって実際どのくらい?」って瞬間、あるよね。
この記事では、JIS配管の呼び径(A呼称)と実際の外径・内径・肉厚、そしてインチ換算までをまとめた一覧表を紹介するよ。現場での確認にも、図面チェックにもすぐ使えるようにしてあるから、ぜひブックマークして活用してね。
配管サイズとは? 呼び径・外径・内径の関係
配管サイズには「呼び径(A)」と「外径」「内径」「肉厚」という用語が出てくるけど、実はこれ全部“微妙に違う”んだ。
呼び径(A):あくまで「呼び名」だけ。実寸とは一致しないことが多い。
外径(OD):管の外側の直径。JISでは外径が規格化されている。
内径(ID):実際に流体が通る部分の直径。
肉厚(t):外径と内径の差÷2で求まる。用途によりスケジュール(Sch)で変わる。
主なJIS配管サイズ一覧表(ミリ・インチ対応)
以下はJIS G 3452(配管用炭素鋼鋼管)に基づいた代表的なサイズ表だよ。
呼び名(A) | 呼び名(インチ) | 外径(mm) |
---|---|---|
10 | 3/8 | 17.3 |
15 | 1/2 | 21.7 |
20 | 3/4 | 27.2 |
25 | 1 | 34.0 |
32 | 1 1/4 | 42.7 |
40 | 1 1/2 | 48.6 |
50 | 2 | 60.5 |
65 | 2 1/2 | 76.3 |
80 | 3 | 89.1 |
90 | 3 1/2 | 101.6 |
100 | 4 | 114.3 |
125 | 5 | 139.8 |
150 | 6 | 165.2 |
175 | 7 | 190.7 |
200 | 8 | 216.3 |
250 | 10 | 267.4 |
300 | 12 | 318.5 |
350 | 14 | 355.6 |
400 | 16 | 406.4 |
450 | 18 | 457.2 |
500 | 20 | 508.0 |
スケジュール管(SCH)とは?
配管の肉厚(パイプの壁の厚み)を示す規格のひとつで、「SCH(Schedule)」という表記で呼ばれている。
たとえば、SCH20、SCH40、SCH80などがあり、数字が大きいほど肉厚になるんだ。
このスケジュール(SCH)はASME B36.10M(炭素鋼および合金鋼の配管寸法規格)に基づいているけど、
パイプの外径は同じでも肉厚の違いを分けている。それは圧力や用途によって使い分ける必要があるからなんだ。
SCH20とSCH40の比較(代表サイズ)
以下の表は、よく使われる配管サイズのうち、外径は同じでも肉厚が異なる例を簡単にまとめたものです。
呼び径(A) | 外径(mm) | SCH20 肉厚(mm) | SCH40 肉厚(mm) |
---|---|---|---|
50A | 60.3 | 2.3 | 3.9 |
100A | 114.3 | 3.6 | 6.0 |
200A | 219.1 | 6.3 | 8.2 |
250A | 273.0 | 6.4 | 9.3 |
あれ?スケジュール番号が大きいのに肉厚が同等?薄い?その理由
呼び径 | 材質 | スケジュール | 肉厚 (mm) |
---|---|---|---|
250A(10インチ) | ステンレス鋼 (ASME B36.19M) | SCH40S | 9.27 |
250A(10インチ) | ステンレス鋼 (ASME B36.19M) | SCH80S | 9.27 |
スケジュール番号が大きくなるほど、肉厚も増す──というイメージがありますが、実際には番号と厚みが比例しないケースも存在します。
たとえば、ステンレス鋼(ASME B36.19M)で250A(10インチ)の場合、SCH40SとSCH80Sの肉厚はどちらも9.27mmで同じ。
これは決して例外ではなく、材質や呼び径によっては、スケジュール番号だけでは肉厚を正確に把握できないこともあるよ。
つまり、「SCH=絶対的な厚みの規格」ではなく、あくまで設計便宜上の分類記号と考えるのが正確なんだ。
スケジュール番号は「圧力設計」で決まる
そもそも「スケジュール番号」って、
パイプの太さに対する肉厚のランク分けではなく、
「使用する圧力に耐えられるかどうか」で決まっているんだ。
つまり
同じスケジュール番号でもサイズが違えば肉厚も変わる。
スケジュールの数字が大きいからといって、必ずしも厚いとは限らない。
なぜ逆転することがあるのか?
スケジュールの厚みって、「圧力」×「サイズ」×「材質」から設計されてる。
たとえば、大口径になると…
パイプ自体が太くなる分、内圧の影響が広く分散
同じ圧力条件なら、そこまで分厚くしなくても大丈夫。
つまり、スケジュール番号に“絶対的な厚み”はないって事だね。
結論:数字じゃなく「実際の肉厚」を確認しよう
図面や仕様書を見たら、スケジュール番号だけじゃなくて
「何Aの、肉厚が何ミリか」まできちんと見ておくことが大切。
「SCH40だから安心」なんて思ってたら、
実はSCH20の方が厚くて強かった!なんてこともあるからね。
これを一文でまとめるなら
スケジュール番号は“番号”で判断せず、“肉厚”で判断するべし。
スケジュール番号とSTD・XSの関係、ちゃんと知ってる?
配管の肉厚を表す「スケジュール番号(SCH)」って、現場でも設計でもよく見かけるけど、
実はSTD(スタンダード)とかXS(エクストラストロング)っていう古い呼び方も、今でも結構使われてるんだよね。
で、ややこしいのが——
この STDやXSとスケジュール番号が完全一致するわけじゃないってとこ。
よくある“呼び方とスケジュール”の対応関係
呼び方(記号) | 相当するスケジュール | 備考 |
---|---|---|
STD(スタンダード) | SCH40 または SCH30 | 小口径ではSCH40、大口径ではSCH30に近い |
XS(エクストラストロング) | SCH80 | ほとんどのサイズで同等 |
XXS(ダブルエクストラ) | SCH160以上 | スケジュール160より厚いこともある |
たとえば、50AまではSTD=SCH40
でも、65A以上になるとSTD=SCH30の寸法になることが多い
つまり「STDで手配したら厚みが足りなかった!」みたいなミスも起きがちなんだよね。
「SCH30とSTDは同じ?」という疑問に答えると…
→ サイズによっては同じ、だけど完全一致ではない。
配管業界の“あるある”ではあるけど、設計時にはスケジュール番号で指定するほうが確実ってわけ。
じゃあ、どうすれば?
一番安全なのは、スケジュール番号(SCH)で直接指定しちゃうこと。
図面や見積書でも、「STD」や「XS」っていうざっくり表現じゃなく、
「SCH40で外径〇〇mm、肉厚〇〇mm」と書くのがベスト。
おわりに
配管サイズは「なんとなく覚えてるけど、毎回不安」って人も多いよね。僕がまさにそう。
でもこうして覚えておけば、ちょっとした確認や発注のときに安心なので参考にして下さい。