「同じ1Sなのに、なんか合わない…」
そんな経験がある人は、サニタリー管の規格の違いで苦労したことがあるんじゃないかな。
サニタリー配管は見た目がそっくりでも規格が違えばつながらないことがある。この記事では、代表的な規格(JIS・ISO)ごとのサイズを一覧で比較しつつ、どういう用途に使われるか、どう選べばいいかも紹介していくよ。
ヘルール継手に使われるパイプ寸法(1S〜6.5S)
ステンレス鋼サニタリー管 (JIS G 3447)に準拠
呼び径(S) | 外径(mm) | 内径(mm) | 肉厚(mm) |
---|---|---|---|
1S | 25.4 | 23.0 | 1.2 |
1.25S | 31.8 | 29.4 | 1.2 |
1.5S | 38.1 | 35.7 | 1.2 |
2S | 50.8 | 47.8 | 1.5 |
2.5S | 63.5 | 59.5 | 2.0 |
3S | 76.3 | 72.3 | 2.0 |
3.5S | 89.1 | 85.1 | 2.0 |
4S | 101.6 | 97.6 | 2.0 |
4.5S | 114.3 | 108.3 | 3.0 |
5.5S | 139.8 | 133.8 | 3.0 |
6.5S | 165.2 | 159.2 | 3.0 |
ヘルール継手に使われるパイプ寸法 A呼称(20A〜150A)
配管用ステンレス鋼鋼管 (JIS G3459)に準拠
呼び(A) | 外径 (mm) |
内径 (mm) |
厚さ (mm) |
---|---|---|---|
20A | 27.2 | 23.0 | 2.1 |
25A | 34.0 | 28.4 | 2.8 |
32A | 42.7 | 37.1 | 2.8 |
40A | 48.6 | 43.0 | 2.8 |
50A | 60.5 | 54.9 | 2.8 |
65A | 76.3 | 70.3 | 3.0 |
80A | 89.1 | 83.1 | 3.0 |
90A | 101.6 | 95.6 | 3.0 |
100A | 114.3 | 108.3 | 3.0 |
125A | 139.8 | 133.0 | 3.4 |
150A | 165.2 | 158.4 | 3.4 |
🔧 JIS(日本のサニタリー規格)におけるヘルール外径
呼び径(JIS) | 外径(mm) |
---|---|
1S | 50.5 |
1.5S | 50.5 |
2S | 64.0 |
2.5S | 77.5 |
3S | 91.0 |
4S | 119.0 |
- 特徴:1Sと1.5Sが**共通のクランプ(50.5mm)**を使用。ガスケット形状が異なることがあるので注意。
🌍 ISO(国際規格)におけるヘルール外径
呼び径(ISO) | 外径(mm) |
---|---|
DN10 | 34.0 |
DN15 | 34.0 |
DN20 | 50.5 |
DN25 | 50.5 |
DN32 | 50.5 |
DN40 | 50.5 |
DN50 | 64.0 |
DN65 | 77.5 |
DN80 | 91.0 |
DN100 | 119.0 |
- 特徴:JISと数字が一致してるサイズも多いが、内径にわずかな違いやガスケットの厚みが違うことがある。
- 例えば、同じ50.5mmのクランプサイズでも、ガスケット形状や密着具合に違いがあるため、互換性には注意が必要。
💡補足:JISとISOで共通の外径サイズでも…
- 「JIS 1.5S」と「ISO DN40」はどちらも50.5mmのヘルール外径だけど、完全な互換性があるとは限らない。
- ガスケットの幅・厚み・形状、接合部の座面形状が微妙に違う。
- 日本では「JISへルール」、海外製機器では「ISOへルール」が用いられていることが多い。
サニタリー管とは?どんな現場で使うのか
サニタリー管は、以下のような「衛生的な条件が求められる現場」で使われる配管のこと。
食品工場(乳製品・飲料など)
製薬・医薬品製造ライン
化粧品の製造ライン
クリーンルーム設備
表面粗さや洗浄性が重視され、鏡面仕上げやヘルール継手(クランプ式)が主流。
サニタリー配管の代表的な規格と違い
サニタリー管は見た目は同じでも、国・業界ごとに寸法が微妙に違う。
規格 主な使用地域・分野 呼び径 備考
JIS(日本) 国内食品工場・飲料製造 1S〜4S 日本独自のS呼称(例:1S=25A)
ISO(国際) 海外設備・輸入機器 DN25〜DN100 ヘルール外径や管サイズが違うことがある
IDF(乳業規格) 乳製品・酪農系ライン 1″〜4″ 特に乳製品ラインで使用、ガスケット形状も独自
サニタリー配管で使われる「ヘルール継手」は、外径サイズは統一されてるけど、
中を通るパイプの外径や厚みにはちゃんとした規格があるんだ。
ガスケットの形状が違うってホント?
ホントなんだよね。
JIS系:角張った断面で、外径に対して“しっかり”はまる
ISO系:丸断面のガスケットが多く、JISのクランプには合わないことも
現場では「なんとなくハマるけど、締めると漏れる」という地味なトラブルにつながることもあるから、ガスケットの規格確認はマジで重要!
現場あるある:規格ミスで痛い目
ISOヘルールなのにJISのクランプ使って微妙に漏れて顔面蒼白
海外製タンクに日本規格のホースが合わず、現場で顔面蒼白
IDFガスケットがJIS管に押し込めなくて詰んだ 帰って家族の顔見て涙でた
サニタリー配管は「規格の違い」に要注意
サニタリー配管で特に気をつけたいのが、「同じ呼び径でも規格が違うと寸法が合わない」ってこと。
たとえば「1S」という表記ひとつを取っても、JISとISOでヘルールの外径やパッキンの当たり面が微妙に異なることがある。
しかも、国内メーカー間でも微差があって、見た目が同じでもクランプが合わない、パッキンがズレるといったトラブルが実際に起きている。
現場では「サイズも呼び方も同じなのに、なぜ合わないの?」ってなるけど、これは規格の食い違いによるミスマッチ。
ヘルール寸法がほんの1mm違うだけで、漏れやガタつきの原因になるから厄介だよね。
呼び方に惑わされるな:寸法と規格がすべて
「S」「A」「DN」など、呼び径の呼び方は違っても、必ずしも互換性があるとは限らない。
しかも、同じ「1S」でもメーカーや規格ごとに仕様が微妙に違うこともある。
現物合わせでなんとかなると思っていたら、組み付けできなかった……なんてことは、珍しくない。
対策:まずは仕様書・図面を確認しよう
こうしたトラブルを避けるには、現場に出る前の事前確認が命。
・JISなのか、ISOなのか
・使用しているクランプ規格は何か
・寸法公差やパッキンの形状に違いがないか
これらを図面や仕様書、カタログでしっかり確認して、規格が揃っていることを必ず確認しよう。
違う規格同士を無理に組み合わせると、漏れやライン不良の原因になりかねない。
一言でまとめると
サニタリー配管は「呼び方より寸法と規格」が命。
似たように見えても、違うものは違う。