溶接で本当に稼げるのはどこ?業種別リアル収入ガイド

「溶接って稼げるの?」という疑問、きっと誰もが一度は思ったことあるんじゃないかな。
でも実際は、同じ“溶接”でも現場によって収入はピンキリ。
「月15万でクタクタ…」という人もいれば、「月50万以上で独立してバリバリ」という人もいる。じゃあその違いって何?
今回は、自分がこれまでの経験で見てきた“稼げる溶接・稼げない溶接”のリアルを紹介していくよ。

あくまで筆者がこれまでに関わってきた現場の話です。
職場や立場によって状況は大きく異なりますので、あくまでも参考としてご覧ください。

稼げないことが多い溶接の現場

◆ ライン作業のスポット・半自動溶接

決まった位置に部品を並べて、溶接、また溶接……の繰り返し。
流れ作業の現場だと、技術の伸びしろが少なく、10年勤めても作業内容はほぼ同じということも。
月給制が多く、手取りは十数万円〜20万円未満のこともある。「何の仕事してるの?」と聞かれたら溶接と言わず「工場で働いてる」と言うでしょう。

◆ 完全マニュアル化してるパイプフレームなど既成形状の組み付け

バイクや自転車のフレームなど、すでに形が決まっているパイプを治具に固定して溶接する仕事。、量産品の機械加工前の溶接などの制作時間がズバリで決められてる仕事。その他マニュアル化してるから教えてもらった通りに作業するだけの仕事など。
製品精度は求められるけど、創造性や技術の幅はあまり広がらず、昇給にも限界あり。

◆ プレス加工+薄板溶接の量産

プレス加工された薄物板金を半自動やTIGでサッと溶接する作業。
キレイなビードが出ても、工場内の大量生産品のひとつ。
給料も日給1万円前後が限界ラインのことが多い。

◆ 検査がない“なんちゃって”TIGや半自動作業

外観はキレイに見えても、検査がないなら中身は不明。
職人としては技術が育ちづらく、「社内でうまいと言われるけど他社では通用しない」ってことも…。
給料は会社の規模に依存しやすく、30万円が天井というケースも。

そこそこ稼げるけど落とし穴もある現場

◆ 一人親方としての独立溶接工

「独立すれば自由で稼げる!」と思いがちだけど、実際は甘くない。横の繋がりは豊富でも、そこそこの技術で独立すると思ったよりも稼げない事が多い。
・1日3万もらえても福利厚生が無いのに加えて、工具費・移動費でガンガン出費
・仕事が安定しないと月20日働けないことも
・下請けや専属契約で“ほぼ社員”扱いのような働き方に陥ることも
でも、下に書くような自分の強みがハマる現場や誰よりも専門分野に強いなどの仕事を続ける事ができれば、サラリーマン以上の収入も楽々現実的。

たくさん稼げる可能性のある溶接職人たち

◆ 配管専門の溶接工(TIG・アーク)

工場内作業〜現場溶接まで多様に対応でき、サニタリー管から25ミリ超えの配管まで対応し、X線などの検査を軽くクリアできる人材。
高所や狭所での作業も日常茶飯事で、技術だけでなく体力・神経も使う。

【収入目安】

  • 経験者:時給2000〜4000円
  • プラント現場:日給2〜3万
  • 発電所関連:時給6000円クラスの話もあるとか無いとかゴニョゴニョ

◆ 製缶・板金の“何でも屋”職人

図面展開→材料発注→切断→曲げ→溶接→仕上げまでの理解と経験を持つベテラン職人。溶接資格複数所持、溶接歪みへの対処法の熟知など、オールラウンダーの人材。
「製品を一から作れる人材」は数が少なく、会社からの評価も高い。

【収入目安】

  • 熟練職人:日当2万〜3万円
  • 独立して実績ある人:月収100万超えもあるっちゃある

◆ 鉄骨専門の溶接工(建築鉄骨)

ビルや倉庫の鉄骨を工場で組んだり、現場で建て込んだりする鉄骨溶接工。
半自動やアークで柱・梁の継ぎ手をガッチリ仕上げる作業がメインで、建築特有の基準や溶接管理が求められる。
AW検定やJIS資格が必須になる現場も多く、しっかり技術を積めば高収入も狙える分野。

【収入目安】

  • 資格なし未経験:月20万〜25万
  • 有資格+現場経験者:月30万〜40万以上も有り
  • 鳶・建方も兼ねる班長クラス:月45万以上も

◆ 造船所の熟練溶接工

造船現場は汚れる・暑い・狭いという過酷さがあるけど、そのぶん高日当の職場も。
特に大型船の船体やタンク周りをこなす熟練者は「盛り方」が異次元で、見てるだけで勉強になる。

【収入目安】

  • 若手:月25万〜30万
  • 班長〜組長クラス:統制力と技術、知識を併せ持つなら50万以上も

【比較表】溶接職種別・ざっくり収入目安

職種 収入目安 特徴
ライン作業(量産) 月15万〜20万 技術の伸びが少ない/流れ作業
一人親方(汎用) 月25万〜80万 道具や経費が多く、実質収入は下がりがち
配管溶接 (現場) 月25万〜60万 高難度/X線検査対応必須/全国に現場あり
製缶・板金(職人) 月30万〜50万 全工程対応/創造力と精度の勝負
鉄骨溶接(建築) 月25万〜45万 JISやAW資格が活きる/屋外作業も多い
造船所 (過酷) 月30万〜50万 キツいが高収入/スキル次第で昇給あり

技術を上げるなら、職場を変えるという選択も

「今の職場で30年働けば自然と上手くなる」って考え方、悪くないけど…
実は“現場を変える”ほうが成長が早いことも多い。
違う業種、違う溶接方法、違う環境。そうやって転職を重ねていくことで、技術の幅も広がっていく。

自分に合った職場で、ちゃんと評価されて、しっかり稼ぐ。
それがこれからの溶接職人に必要な“守り”だと思うんだよね。

まとめ:稼げるかどうかは「場所と自分次第」

溶接は、やればやるほど奥が深くておもしろい。
でも「楽して稼げる」仕事じゃない。
ちゃんと技術を磨いて、それが活きる場所に身を置けば、収入は自然とついてくる。

転職や独立を考えてる人は、自分の“技術の伸びしろ”が活かせる現場を探してみてほしい。

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