溶接で目を焼いたり異物が入ったら
溶接してて最も辛い事ランキングで必ず上位に入りそうな事。
それは目玉焼きです。
メールで、溶接で目を焼いたんですけど応急処置ってありますか?なんて質問を結構いただきます。医療の事はちょっと・・と言いたい所ですが、僕自身、これまで何度も目を焼いてきたので思わず誰かに助けを求めたくなる気持ちは凄くわかります。何しろ地獄ですからねあの痛みはw
溶接作業をしているとよくある事なのですが、溶接のアークが発する光で眼球を火傷しちゃうのです。
特に溶接にまだ慣れてない頃や、すぐ近くで他の人が溶接している場合にやっちまいます。溶接の面を正しく被っていても、後方からの光や遮光ガラスの隙間などからも、知らず知らずのうちに光を浴びてるってパターンも多いですね。高電流で溶接してると尚更ですよ。もう完全防備だろうが完全武装だろうが光は攻撃してくるのです。
症状としては「眼球の中がゴロゴロする」「痛くて明るい光が見れない」「涙が止まらない」「目ヤニで目が開かない」「外出するのが嫌」「人と話す気になれない」「何もする気にならない」「誰もいない無人島で静かに暮らしたい」などがよく聞く症状です。うわ!これじゃ完全に鬱を抱えた引きこもり状態でしょ!やばいやばい、なんとかしなくては。
しかし、結論から言うと、劇的に回復させる方法はありません・・ スイマセン・・
でもあれです。1日経てば大抵は回復します。時が過ぎるのを待ちましょう~
ただ、気休め程度に楽になる方法としてよく聞くのが冷やすケース。目を焼いたって事は当然目の付近や顔全体も紫外線をたっぷり浴びて、ひどい日焼け状態なので効果ありそうです。僕の場合は目元が濡れるってのが苦手であまりやった事ないですねえ。かゆくなってきて耐えられません。薬局で売っている目薬や眼球の洗浄剤みたいなのも使いたくなるんですけど、効果薄そうです。そもそも火傷ですから、日焼けしすぎた後に塗るクリームを顔に塗って、暗い部屋で誰とも接触せずに寝るしかないでしょう。痛くて寝れませんけどねw 辛さの度合いとして、歯が半端なく痛い時と比べてどっちが辛いかと聞かれたら、誰もがためらう事無く「目を焼いた時」と答えるでしょうw
溶接工が必ず味わうであろう「目を焼く」に並ぶもう一つの災難。それは目に異物が入る事です。
保護メガネをちゃんとしててもそれは突然きます。飛んできます。目に刺さります。おーこわ。
無理な姿勢でのグラインダー作業が特にやばいです。でも溶接に関わる何の作業でも目を狙ってきます。
溶接後のスラグ処理、スパッタ除去、塗料のはつり、給料明細など、突然目に突き刺さってきます!
これはもう寝ても治らないので眼科に行くしかないですね。(給料以外)
異物が入ったらとにかく目を擦らない方が良いと思います。しばらく我慢してると涙があふれてきて異物が流れてくれる事もありますからね。よくティッシュを尖らせてチョンチョンやってる人を見ますが、それするくらいなら髪の毛を輪にして眼球の上を滑らすほうが異物が取れやすいです。上下左右に動かせばだいたい取れます。でも真っ赤なスパッタとかガスやプラズマで切断してる時のノロやドロスが入った時は焼きついちゃってますから取れないでしょう。すぐ眼科に行かなきゃダメですよ。
髪の毛使って取れても眼球に傷付いてるかもだし念のため眼科に行きましょう。
まさに3Kの極みとも言える溶接工が抱える災難の、ほんの一部について書きましたが、そんな事よりもやりがいのある業種なので溶接工を目指す方は踏み込んでください。
大丈夫です。大丈夫です、離れていかないで下さい! 溶接は絶対やりがいのある楽しい仕事ですから!
目は溶接工の命ですので、安全に対しての自意識を高めて溶接を楽しみましょう。