福岡県編｜西日本の物流と建設を支える“鉄骨・配管溶接”の現場

福岡って聞くと、博多ラーメンとか屋台のイメージが強いかもしれないけど――
実はここ、西日本を支える“現場力”の高い県なんだ。

都市のビル建設から、港湾プラント、ちょっと走れば造船や修繕現場まで。
「どんな現場にも対応できる人が多い県」って言われるのもうなずける。

そんな福岡県で活躍する溶接の仕事を、現場目線でのぞいていこう。

主に盛んな業種とその背景

建設・鉄骨溶接（福岡市・久留米市など）

都市開発が進む福岡市内では、鉄骨フレームの現場溶接が常に需要アリ。
マンションや倉庫、物流施設がどんどん建ってるから、柱・梁の半自動や被覆アークの仕事が絶えない。

特に**“外観もきれいに仕上げてね”**って現場が多くて、
仮付けと本溶接の両方で気を抜けない職人技が求められてるよ。

プラント・配管溶接（北九州市・苅田町など）

北九州といえば、ガチの工業エリア。
化学プラント、製油所、製鉄所が集中してて、TIGとアークを駆使した配管溶接がメイン。

とくに立向きやルートの溶接は一発勝負で、
「冷却水ライン止められんから一回で決めて」って現場も普通にある。

現場ごとに材質も厚みも違うから、“瞬時の判断力”と“場数”がモノを言うエリアだね。

造船・艤装関連（苅田港周辺）

苅田港では小型船の造船や修繕業務が動いてて、艤装系の仕事も残ってる。
厚板を立て込んで仮付け→本溶接まで一気に仕上げるパターンが多くて、体力勝負でもある。

「力で押さえながら仮付け」「一発で決めないと湾曲」みたいな
古き良き職人技が残ってるエリアでもあるよ。

地域別 溶接業種マップ

フリーランス溶接工の“動きやすさ”が強み

福岡の溶接業界には、一人親方や小規模事業者がけっこう多い。
建設現場やプラント現場で「○月まで」「1週間だけ」って短期案件が多いから、フリーで動ける人が重宝される。

しかも福岡は、九州全域に出張しやすい立地ってのもあって、
「鹿児島で3日」「熊本で1週間」「博多に戻って次の現場」なんて流れが普通にある。

手が早くて、挨拶ちゃんとして、最低限の資格持ってれば
「今ヒマ？ちょっと来て」って声かかるタイプの現場が多い。

人間関係も大事だけど、溶接は結局“結果が出せるかどうか”がすべて。
そんなリアルな雰囲気が、福岡らしさかもね。

福岡県の溶接工の賃金水準は？

厚労省の統計によると、福岡県の溶接工（正社員・男性）の平均月収は約27.5万円で、これは全国平均（約29.4万円）をやや下回る水準。

とはいえ、夜勤・配管・出張ありの現場になると月収35万円オーバーも全然アリ。
日給制や出来高制でガッツリ稼いでる職人もいて、
給与形態の幅広さ＝動ける人にはチャンスが多い県とも言える。

この地域で働くには

福岡で求められるのは「自分で考えて動ける人」。
決まった作業だけじゃなくて、仮付け・ケレン・仕上げまでできる“多能工”タイプが評価されやすい。

現場で重宝される資格

アーク溶接特別教育（基本）

JIS溶接技能者（立向・下向など姿勢あり）

配管向けTIG技術（ルート・蓋盛り両方できると◎）

玉掛け、酸欠、高所作業車系の講習修了

どこに行っても「とりあえずこの人に任せとけ」って言われるようになると、引く手あまたの職人ルートに入れる。

おわりに

福岡の現場は、都市の鉄骨もあれば、港の配管、プラントの修繕もある。
どんな溶接でも“その場で判断して動けるか”が問われる土地なんだよね。

ビードの美しさより、段取り力。
資格の数より、現場での信用。

火花を飛ばす技術だけじゃなくて、“仕事をまわす力”が問われる福岡の現場。
その中で今日も、溶接職人たちは静かに腕を磨いてる。