溶接は、金属を高温でつなぐ作業。
つまり──「火」を扱う仕事だ。
かっこよさや技術も大事だけど、その前にちゃんと**自分の身を守れているか?**というのは、本当に大切な話。
今回は、現場で必要な安全対策と、基本的な保護具についてやさしく整理してみたよ。
そもそも、溶接ってなにが危ないの?
溶接作業には、ちょっと想像つきにくいけど、実はけっこう多くのリスクがある。
アーク光による目のダメージ(紫外線・赤外線)
火花や高温物による火傷
有害ガス・ヒュームの吸引
騒音による聴覚障害
金属片・スパッタによるケガ
感電の可能性(湿った場所など)
作業中は集中してるから意識しづらいけど、ちょっとした油断がケガにつながることは珍しくないんだよね。
溶接で使う保護具と、その役割
ここでは、実際に現場でよく使う保護具と、その目的を一覧で見ていこう👇
保護具の種類 | 守る部位・目的 | 備考・注意点 |
---|---|---|
遮光面(溶接面) | 目・顔 | 自動遮光タイプが主流。UV対策も重要。 |
革手袋 | 手・手首 | 耐熱・感電防止。電動工具にも対応。 |
前掛け・脚絆(きゃはん) | 胴・足元 | 火花やスパッタから体を守る。革製が基本。 |
安全靴 | 足先 | 鋼板入りで踏み抜き・落下物を防止。 |
耳栓・イヤーマフ | 耳 | 金属音・振動音対策。長時間作業では必須。 |
防塵マスク・送気マスク | 呼吸器 | ヒューム吸引を防ぐ。吸収缶の選択も重要。 |
保護具って、なんでこんなに必要なの?
たまに「面倒くさい」とか「慣れてるから大丈夫」って言う人もいるけど、ケガや事故って“慣れた頃”に起きるものなんだよね。
ちょっとした例をあげると──
面をズラしたまま仮止めしてアーク光で目を焼いた
夏場に薄着で作業して、火花がシャツの中に入って火傷
革手が古くて穴あいてて、金属片が刺さった
…どれも「よくある話」。でも、それだけに本当に怖い。
安全衛生法と義務について、ざっくり知っておこう
溶接作業には、法律上の義務もあるよ。
労働安全衛生法:保護具の使用義務、安全教育の実施などが定められてる
特別教育:アーク溶接作業者には必須(労働安全衛生規則 第36条)
溶接ヒュームの規制(2021年〜):作業環境測定・呼吸用保護具の着用が必要に
つまり「ちゃんと装備する」のは、単に自分の身を守るだけじゃなくて、法令にも沿った“当たり前”のことなんだ。
相原の小さな余談
溶接って、火を扱う仕事。
そして火には“便利”と“危険”の両方がある。
技術が上がれば上がるほど、作業に集中して周りが見えなくなる。
でも、そういうときこそ、安全への意識って大事になってくる。
保護具は「とりあえず着けるもの」じゃない。
自分の体を守る、未来の仕事を守る、“道具のひとつ”なんだよね。
それは、相撲取りにとってのまわしと同じ。 付けてなかったらヤバいでしょ。
ん?違うか。