稼ぐ溶接工ランキング 番外

せっかくなので稼げる10位までには入れなかった溶接業務も順位付けはしませんがチラリと。

くれぐれも注意していただきたいのはダメな溶接工を意味するものではありませんからね。

まず収入を答えてくれた方が特に多かった業種が「製缶」作業の溶接です。
製缶、つまり缶体製品(円柱状のタンクなど)が本来意味するものだと思いますがメールの内容から判断するに、フレームの類や空調ダクトであったり機械のカバーとか簡単な配管など、まあよくある溶接工場で作ってるものを言うようですね。
作る物の種類が幅広いので経験を積めば何でも出来ますし、専門的な知識がそれほどいらず、ノウハウがネットだろうが教本だろうがバラ巻かれてるので知識で悩む事も少ないと思います。
稼げるランキング上位の方々は自宅にそうそう帰れませんが、こちらは朝は自宅から出勤して夕方帰る。職場では技術的に大差無い気の会う仲間がいたりして、工場内でモノ作りの最初から最後までを担当できるので「製品作るの面白い」と感じられる部分が大きいと思います。

しかーし給料が安ーい。
この先マジで先が無ーい。

海外で同じものが半分以下のコストで作られちゃうんだからもうお手上げです。国内では安い金額で仕事の奪い合い潰し合い大会。
材料の質が悪いとマズイ製品は国内で作りますけど「今はまだ」の話で「これからは」になるとホントやばいです。

あと、興味深かったのが「特注のキッチン」の溶接。
ランキングで「螺旋階段」について書きましたけど、やはり特注ってのは金持ちか見栄っ張りのお客様が多いようで仕事の単価自体は良いそうです。
ただその方、半年仕事が無くて悩んでました。極薄板のステンレス溶接以外やった事ないらしく、違うモノ作るなんて考えられないそうですw
ニーズに合う仕事を完璧にこなす技術があっても、技術を特化し過ぎて仕事の幅が狭いのもマズイのかなぁ。

「公園の遊具」を作ってる方の話も面白かったです。(失礼)
ジャングルジム(回転のじゃなくて細かいマス目になった四角いフレームのやつね)を溶接してると精神的におかしくなるそうで。
たしかにあの中で延々とパイプ溶接するのは辛いよねw 子供達が楽しく遊ぶ姿を思い浮かべる余裕なんか無いってよw
最近ではプラスチック製品が増えてるので仕事激減らしい。遊具とかは設計は大変そうだけど、溶接技術的にはたいした事ないもんね。

通販で「アクセサリーや金属製の家具」を溶接して販売してる方もいました。
この仕事1本で食べてくには厳しいとか・・  なので他にも仕事してらっしゃいましたw
人並み外れたセンスさえあれば同じ作業時間でも人を惹きつけるモノが作れるんだろうけどなかなか難しいよね。

それに比べ「家庭の金属製品の修理屋」さんはなかなか好調らしく、これからもっと手広くやっていくなんて言っていました。
仕事を確保するのが難しそうだけど、それさえクリアすれば仕事は続きそうだね。
一般の人は溶接で直すって考えは浮かばないだろうし、修理を頼む所も見つからないでしょうから。
安価な金属製家具が当たり前のように売られてて使い捨ての時代っぽいけど中には思い入れのあるモノもあるだろうし、作業時間5分、配送1時間で「溶接修理は時間3000円頂きますので今回の修理は2万円になります。」と告げられても笑顔で支払ってくれる人も多いはず。嘘です。

「車やバイクのマフラーやステーを改造」する溶接屋さんは趣味の延長上でやってるらしく、実に意気揚々。
サークル仲間の修理を頼まれたり、パーツメーカーから外注されたり仕事はそこそこあるらしいのですが、これどこまでが合法かしっかり判断しないと危険だよね。
部品の改造って溶接屋ならいとも簡単に出来ちゃうんだけど、もし事故につながる事になればその責任や賠償など一人で背負う事にもなりかねない。
走ってて部品がポロリと落ちただけでも大事故を引き起こすかもだもんね。
まあ、本人「大丈夫、大丈夫」なノリだったんで、こちらからはあまり言いませんでしたけど怖い怖い。

さて、ここでは紹介しきれないくらい色々な分野のお話を伺ったんですが、どの道に進むにしろ溶接技術が要らない分野は無いわけです。
今後、日本溶接協会の資格が国家資格になるなんて話も検討されているようで、そうなったら溶接工の地位が高くなれば良いのにな。
溶接が調理師と同じくらい一般的になれば「溶接やってるの、すごいねー!」ってなるでしょうから。
いや、ただ女性にそんな事言われたいだけです。

「仕事何やってるんですか?」
「溶接です」
の後に絶対起きる数秒の沈黙が少しでも無くなるように溶接協会さんには頑張っていただきたい。

最後、完全に話がズレましたが、今回の調査に協力してくれた方々には改めましてこの場で感謝申し上げます!

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私は溶接の仕事を始めて20年が経過しましたが、まだまだ勉強中の身です。それに加え無礼な表現もあるかと思いますが、溶接職人さんから日曜溶接のお父さんまで幅広い方々に閲覧していただけたら幸いです。


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